天目一箇神

あめのまひとつのかみ

天目一箇神

天目一箇神の別名

  • 天目一命(あめのまひとつのみこと)
  • 天之麻比止都禰命(あめのまひとつねのみこと)
  • 天久斯麻比止都命(あめのくしまひとつのみこと)

天目一箇神の御神徳

天目一箇神の伝承地

  • 兵庫県

天目一箇神の継続

  • 天津彦根命(父/という説があるが、多くの文献には継続の記述はない)

天目一箇神の鎮座

天目一箇神の解説

あめのまひとつのかみ

天目一箇神 天目一箇神

製鉄・鍛冶神であり、一つ目伝承とも関連がある「天目一箇神」についてご紹介します。

製鉄・鍛冶の神、天目一箇神

天目一箇神(あめのまひとつのかみ)は、製鉄・鍛冶の神である。
『古語拾遺』、『日本書紀』、『播磨国風土記』に登場する。

まずは、それぞれの文献でどのように登場するのかを紹介していく。

■古語拾遺■
天目一箇神は筑紫・伊勢の両国の忌部の祖である、と書かれているが、これは他の文献には見られない。
天岩戸開きの場面では、岩窟の中に立てこもってしまった天照大御神を何とかして出てもらおうと、神々がそれぞれの役割を決めるが、その中で天目一箇神が鍛冶職を担ったと書かれている。

■日本書紀■
「天目一箇神を作金者とす」という記述が見られる。
天照大御神が経津主神(ふつぬしのかみ)と武甕槌神(たけみかづちのかみ)を葦原の中つ国に派遣し平定していくことになり、大己貴神(おおなむちのかみ)は、国を譲りお隠れになった。
天目一箇神は、大己貴神を祀るための「作金物」(鍛冶職)に任ぜられたということである。

他に、
・紀伊国の忌部の遠祖手置帆負神(たおきほおいのかみ)→作笠者
・彦狭知神(ひこさしりのかみ)→作盾者
・天日鷲神(あまのひわしのかみ)→作木綿者
と、それぞれ役割を与えられている。

■古事記■
「天津麻羅(あまつまら)」は、天目一箇神と同一視される神で、同じく、鍛冶職として岩戸開きのところで登場する。

■播磨国風土記■
託賀郡の条では、「荒田」という土地の名の由来が書かれており、天目一命(あめのまひとつのみこと)という記述で登場している。
そこには道主日女命(みちぬしひめのみこと)という神がおり、父親のわからない子供を産んだそうだ。
稲を実らせ、米を作り、盟酒(うけいざけ・物事を神意に判断するために特別に醸造した酒)を作った。
そして神々を集めて、盟酒を、その子供に捧げさせた。
子供が酒を捧げた神が天目一命で、父親だとわかった。

その後、その土地の田が荒れたので、荒田の村と名付けた、とある。
鍛冶神と農神の婚姻潭である。

一つ目に関する伝承

刀剣鍛冶が片目をつむる仕草、または火の粉を浴びて失明するということから「一つ目」は鍛冶職人の象徴とされている。
「天目一箇神」が鍛冶の神であるというところと、その名前につながりを感じる。

三重県桑名市の多度神社 別宮一目連神社の御祭神が天目一箇神であるが、こちらでは天候を司る神とも仰がれている。
山崩れにより片目がつぶれてしまった龍神を今の権現池にお祀りすることになったのが始まりだそうだ。
その片目龍が「一目連」であり、天候を司る神であった。船人たちに崇拝されていたそうである。

一つ目伝承というのは各地に存在し、片目の魚、片目の蛇、片目の鳥など多岐に渡る。
山の神を片目だとする地方もあり、それは山火事で火傷を負っているからだと言われている。

鍛冶職人から派生した「一つ目」と、各地に残る一つ目伝承は同じではないが、「一つ目」というのは、私たちの世界とは一線を引いた「神の領域」を感じさせる象徴なのかもしれない

文章担当森田明子

参考資料

  • 古事記
  • 日本書紀
  • 古語拾遺
  • 播磨国風土記
  • 多度神社
  • 「一目小僧」「目一つ五郎考」柳田国男

挿絵担当しわ

参考資料

  • 古事記
  • 古語拾遺

挿絵解説

近頃話題の刀剣。鍛治をすこし違う視点から見たとき、かっこいい神様と出会えるかも?そんなイメージで描きました。

天目一箇神に関連する神様

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