竈神
かまどがみ
竈神の別名
- おかま様
- かま神
- かま神
- 火の神
- ひょうとく
- 火男
- 土公神
- また仏教においては「三宝荒神」、神道においては「竈三神」として「奥津彦神・奥津姫神・火迦具土神」が挙げられている。
竈神の御神徳
竈神の伝承地
- 宮城県登米群
- 宮城県栗原郡
- 岩手県江刺群
竈神の継続
- 大歳神(父)
- 天知迦流美豆比売命(母)
- ※神道の「竈三神」のうち、「奥津彦神・奥津姫神」の継続を指す
竈神の鎮座
竈神の解説
かまどがみ


かまど神」は一般的には家内のかまどの近くの柱や壁に専用の神棚を作り祀るとされている。
神体は、地域によって札や面、人形など様々である。
仏教の「三宝荒神」は 清荒神 清澄寺(兵庫県宝塚市) ほか、全国の三宝荒神を祀る寺社。
神道の「竈三神」は 荒神山神社(滋賀県彦根市)、奥津彦神社(静岡県静岡市)、曲木神社(宮城県塩竃市・塩竃神社十四末社の一つ)など。
ほか、全国の秋葉神社、愛宕神社など、火迦具土神を祀る神社。
「かまど神」とは何か?
「かまど神」とはその名の通り、かまどに宿る神様のことです。
ただ、一口にそう言いましても、地域や家によって様々な名前や姿、伝承や神徳があり、「かまど神の正体はこれ」と断言のできない神様でもあります。
とは言え、「火除け」「火伏せ」の神徳は、おおよその「かまどの神様」に共通して存在していると言えます。
かまどに安全装置はなく、家屋も木造という旧来の日本の住宅環境においては「毎日使うかまどの火から護ってもらう」ということは、とても大切なことでありました。
同時に「怒らせると家財などすべてを焼き払ってしまう」という「荒ぶる神」としての側面も備えていることが多く、これは「火」の恐ろしさを物語っているとも言えるでしょう。
様々な「かまどの神様」
①民間信仰の「かまど神」
前述の通り、地域によって様々な名前や姿があります。
たとえば、宮城県や岩手県南部で祀られる「ひょうとく」と呼ばれるかまどの神様は、ぎょろりとした目の醜い面を神体として祀られています。
竈神に関する神話
山で大きな穴を見つけた翁がそこに柴を投げ入れたところ、翁はその中に居た神様から柴の礼として、臍をいじる醜い顔の童子を貰いました。
翁はその童子をたいそう可愛がったのですが、童子は臍から黄金を出すことがわかりました。その黄金のお陰で翁の家は裕福になりました。
ところが欲に駆られた媼が火箸で童子の臍をついたところ、その童子は死んでしまいました。
悲しむ翁の夢の中に童子が現れ「自分に似た面を作り竈の前にかけておけば、この家は富み栄える」と告げましたとさ。また「ひょうとく」はお面でや踊りでお馴染みの「ひょっとこ(火男)」の元となったともされています。
近畿地方、中国地方では「土公神(どくしん、あるいはどこうしん)」と呼ばれる神様がかまどの神様として祀られています。
この神様は陰陽道のうち「土」を司る神でもあり、春はかまど、夏は門、秋は井戸、冬は庭に鎮座すと言われています。
②仏教の「三宝荒神」
「三宝荒神」は日本の仏教固有の尊格とされています。
不浄や災難を祓うと同時に、大変怒りっぽく、一度怒らせるとすべてを焼き払ってしまう「荒ぶる神」の一面も持っています。
③神道の「かまど三神」
日本神話においてかまどを司る神である「奥津彦神」「奥津姫神」に、火の神である「火迦具土神」を加え、この三神を「竈三神」とします。